この記事では、健康診断で血糖値が高めと言われたときに確認したい空腹時血糖やHbA1cの基準、糖尿病との関係、再検査や受診の考え方についてわかりやすく解説します。
結論からいうと、健診で血糖値が高かったからといって、1回の検査だけで糖尿病と決まるわけではありません。
ただし、数値が高い状態をそのまま放置せず、健診結果に応じて再検査や受診につなげることが重要です。
その理由は、糖尿病やその予備群では自覚症状がほとんどない時期もあり、健康診断が早期発見のきっかけになるためです。
まず自分の空腹時血糖とHbA1cを確認し、必要に応じて医療機関へ相談しましょう。
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健康診断で血糖値が高めなら最初に数値を確認しよう
健康診断で「血糖値が高め」と指摘されても、検査項目や数値によって意味は異なります。特に確認したいのが、空腹時血糖とHbA1cです。
特定健診で用いられる保健指導の基準と、医療機関で糖尿病を診断するときの基準は同じではありません。まずは健診結果表で、どの検査がどの程度高かったのか確認しましょう。
| 検査項目 | 数値の目安 | 考え方 |
|---|---|---|
| 空腹時血糖 | 100mg/dL以上 | 特定健診で血糖高値として確認される基準 |
| HbA1c | 5.6%以上 | 特定健診で血糖高値として確認される基準 |
| 空腹時血糖 | 126mg/dL以上 | 糖尿病型となる基準の一つ |
| HbA1c | 6.5%以上 | 糖尿病型となる基準の一つ |
厚生労働省は、特定健診において空腹時血糖100mg/dL以上またはHbA1c5.6%以上を血糖高値の基準として示しています。
空腹時血糖100mg/dL以上は特定健診で血糖高値の目安
空腹時血糖は、一般に食事の影響が少ない状態で血液中のブドウ糖量を確認する検査です。
特定健診では空腹時血糖100mg/dL以上が保健指導に関わる基準の一つとなっていますが、100mg/dLを少し超えただけで糖尿病と診断されるわけではありません。
日本糖尿病学会の診断基準では、空腹時血糖126mg/dL以上は「糖尿病型」に該当する基準の一つです。一方、正常型の空腹時血糖は110mg/dL未満とされ、100~109mg/dLについても将来の糖代謝異常に注意して経過を見ることがあります。
健診結果に「要経過観察」「要再検査」などの判定が付いている場合は、血糖値だけでなく他の検査結果や過去からの変化も確認しましょう。
HbA1c5.6%以上も特定健診では確認が必要
HbA1cは、採血した瞬間の血糖だけを見るものではなく、直近の一定期間における血糖状態を反映する検査として利用されています。
そのため、当日の食事などで変化しやすい血糖値と合わせて見ることで、糖代謝の状態をより判断しやすくなります。
特定健診ではHbA1c5.6%以上が血糖高値の基準となっています。空腹時血糖がそれほど高くなくてもHbA1cが高いケースがあるため、両方が測定されている場合は両方を確認することが大切です。
数値が前年より上昇している場合や、高めの状態が続いている場合も、健診結果の指示に沿って再検査や医療機関への相談を検討してください。
空腹時血糖126mg/dL以上やHbA1c6.5%以上なら医療機関で確認する
日本糖尿病学会では、空腹時血糖126mg/dL以上、75g経口ブドウ糖負荷試験2時間値200mg/dL以上、随時血糖200mg/dL以上などを糖尿病型の基準としています。
またHbA1c6.5%以上も診断に用いられる重要な基準です。
ただし、糖尿病の診断は原則として血糖値やHbA1cだけを1回確認して自己判断するものではありません。
検査結果の組み合わせや再検査、症状などを医師が総合して判断します。
国立健康危機管理研究機構の糖尿病情報センターも、健診による早期発見と、その後の適切な検査や生活習慣改善の重要性を案内しています。
健診結果で受診を勧められた場合は、「まだ症状がないから」と後回しにせず、内科や糖尿病内科などへ相談しましょう。
健康診断で血糖値が高めになる主な原因
血糖値が高くなる背景には、食事や運動などの生活習慣だけでなく、遺伝的な体質やインスリンの働きなど複数の要因があります。
「甘い物を食べたから」という一つの理由だけで判断するのではなく、体重の変化、運動量、家族歴、健診結果の推移なども含めて考えることが大切です。
食べ過ぎや糖質の多い食生活
食事をすると、炭水化物などから作られたブドウ糖が血液中に入り、血糖値が上昇します。
通常はインスリンの作用によって血糖値が調整されます。
しかし、摂取エネルギーが多い生活が続いたり、砂糖を多く含む飲料を頻繁に飲んだりすると、血糖管理に影響することがあります。
厚生労働省の健康情報でも、糖尿病予防ではエネルギーのとり過ぎを防ぎ、野菜、大豆製品、海藻、きのこなどを取り入れることが紹介されています。
極端に炭水化物を抜くのではなく、量とバランスを見直すことが基本です。
運動不足や体重増加
運動すると筋肉でブドウ糖が利用されるため、日常的な身体活動は血糖管理に関係します。
反対に運動不足が続き、内臓脂肪が増えると、インスリンの働きが低下しやすくなります。
そのため、健診で血糖値と同時に体重や腹囲の増加を指摘された人は、食生活とともに活動量を確認することが重要です。
いきなり激しい運動を始める必要はなく、歩く時間を増やすなど継続しやすい方法から始めることが現実的です。
すでに糖尿病の治療をしている人や持病がある人は、運動量を自己判断で大きく増やさず医師に相談してください。
遺伝や体質による影響
2型糖尿病は生活習慣だけで決まるものではありません。
インスリンを分泌する力やインスリンが効きやすいかどうかなど、遺伝や体質も関係します。
そのため「太っていないから血糖値は問題ない」とは限りません。
厚生労働省の健康情報でも、日本人では肥満や過体重がなくても糖尿病になりやすい人がいることが説明されています。
家族に糖尿病の人がいる場合や、毎年少しずつ血糖値が上がっている場合は、体型だけで判断しないことが大切です。
健診結果を継続的に記録し、変化を確認しましょう。
採血条件や一時的な変動
血糖値は食事のタイミングなどによって変動します。
そのため健診結果を見るときは、空腹時血糖なのか随時血糖なのかも確認する必要があります。
また、空腹時血糖だけでは捉えにくい食後高血糖もあります。
厚生労働省の健康情報では、空腹時血糖が正常でも食後の血糖値だけが高い場合があると紹介されています。
1回の血糖値だけを見て「糖尿病だ」「問題ない」と決めつけないことが重要です。
HbA1cや再検査の結果などと合わせて医師が判断します。
血糖値が高めのときに見直したい4つのポイント
健診で血糖値が高めだったときは、焦って極端な食事制限を始めるより、現在の数値を把握して生活習慣を一つずつ確認することが大切です。
特に次の4つは、今後の血糖管理を考えるうえで確認しておきたいポイントです。
ポイント①:健診結果を保管して過去の数値と比較する
血糖値を見るときは、今回の結果だけではなく前年や数年前の結果も並べて確認してみましょう。
たとえば正常範囲内であっても、空腹時血糖やHbA1cが毎年上昇している場合は、生活習慣や体重などに変化がないか振り返るきっかけになります。
健診結果は捨てずに保管し、血糖値、HbA1c、体重、腹囲、中性脂肪などの推移を確認できる状態にしておくと便利です。
再検査や医療機関を受診するときも、過去の結果を持参すると医師が変化を把握しやすくなります。
ポイント②:食事の量と食べ方を整える
血糖値が高めだからといって、特定の食品だけを完全に避ける必要があるとは限りません。
まずは食事全体の量とバランスを確認しましょう。
厚生労働省の健康情報では、糖尿病の食事について、適正なエネルギー量を意識しながら主食、主菜、副菜を組み合わせ、食物繊維の多い食品を取り入れることが基本とされています。
欠食とまとめ食いを繰り返すより、1日3食を基本として規則的に食べることも見直したいポイントです。
体重や病気の状態によって適切な食事量は異なるため、具体的な制限が必要な場合は医師や管理栄養士に相談してください。
ポイント③:無理なく身体活動を増やす
運動不足が気になる場合は、通勤や買い物で歩く、階段を使う、散歩を取り入れるなど、日常生活の活動量を増やす方法があります。
厚生労働省の健康情報では、糖尿病の運動療法として中等度の有酸素運動やレジスタンス運動が紹介されていますが、適切な運動量は年齢や体力、治療状況によって異なります。
重要なのは、短期間だけ頑張ることよりも、安全に続けられる活動を習慣化することです。
糖尿病の治療中、心臓病などの持病がある、血糖値がかなり高いと指摘されたといった場合は、運動を始める前に医療機関へ相談しましょう。
ポイント④:再検査や医療機関の受診を先延ばしにしない
健康診断の結果票に「要再検査」「要精密検査」「要受診」などと記載されている場合は、その指示を優先してください。
特に空腹時血糖126mg/dL以上やHbA1c6.5%以上など糖尿病型に該当する数値が確認された場合は、医療機関で詳しく調べることが重要です。
自覚症状がないことは、血糖値に問題がないことを意味しません。
健診による早期発見をその後の検査や生活改善につなげることが、将来の健康を守るうえで重要です。
健康診断で血糖値が高めでも自覚症状がないことはある
糖尿病や糖尿病予備群について注意したいのは、血糖値が高くても初期にははっきりした症状を感じない人がいることです。
そのため「体調は良いから再検査を受けなくても大丈夫」と判断するのではなく、健康診断の数値と判定に基づいて対応することが重要です。
初期は症状がほとんどない場合がある
糖尿病情報センターは、健康診断が糖尿病を早期に見つける身近な機会であり、予備群の段階から生活習慣を見直すことが重要だと案内しています。
血糖値が少し高い段階では日常生活に支障がなく、「自分は元気だから問題ない」と感じることもあるでしょう。
しかし、症状の有無だけを基準にせず、血液検査の結果から状態を確認することが大切です。
結果票に再検査や受診の指示があれば、指定された時期を目安に医療機関へ相談してください。
強い喉の渇きや多尿などがある場合は早めに相談する
血糖値がかなり高くなると、強い喉の渇き、飲水量の増加、尿の回数や量の増加、理由のはっきりしない体重減少などがみられる場合があります。
こうした症状は糖尿病だけに特有とは限りませんが、糖尿病情報センターでも高血糖に伴う症状として喉の渇き、多尿、体重減少などが挙げられています。
健康診断で高血糖を指摘され、こうした症状も感じている場合は、自己判断で様子を見続けず医療機関へ相談してください。
特に体調が急激に悪化している場合は、通常の健診後の経過観察とは分けて、速やかに医療機関へ相談することが大切です。
健康診断で血糖値が高めなら数値を確認して適切に対応しよう
健康診断で血糖値が高めだった場合、まず空腹時血糖とHbA1cの数値を確認しましょう。特定健診では空腹時血糖100mg/dL以上またはHbA1c5.6%以上が血糖高値の基準となっていますが、この数値だけで糖尿病と診断されるわけではありません。
一方、空腹時血糖126mg/dL以上やHbA1c6.5%以上など糖尿病型に該当する数値がある場合や、健診結果で再検査や受診を指示された場合は、放置せず医療機関へ相談することが重要です。
食事や運動などの生活習慣を整えることも大切ですが、適切な対応は一人ひとりの検査結果や健康状態で異なります。健康診断を早期発見の機会として活用し、必要な再検査や診察につなげましょう。